Ba2MnGe2O7+δ (BMG): 本物質は「メリライト型(melilite-type)」の結晶構造をもち、一般式A2BC2O7で表されます。メリライト型構造は、B, C サイトがつくるBO4-CO4ユニットのネットワーク構造をもつことが特徴です。酸素放出相では、B位置に存在するMn2+がMn2+O4四面体ユニット、C位置に存在するGe4+がGeO4四面体を形成しています。一方、酸素吸収相では、酸素吸収に伴いMnが2価から3価へと酸化し、B位置の構造がMn3+O5三角両錐体、GeO5四角錐体へと変化します。このとき、吸収した酸素が規則正しく配列するため、単位格子が元の5×5倍の大きさをもつ非常に複雑な超構造へと変化します(図1)。
図1. Ba2MnGe2O7+δの (a, b, c) 酸素放出相および (d, e, f) 酸素吸収相における結晶構造・局所構造・試料の色.
興味深いことに、本物質は酸素の吸収に応じて試料の色が白色から濃青色へと変化します。実際に、試料を400 ℃に加熱し、流通ガスを窒素から酸素に切り換えると、酸素吸収による色の変化を目視で確認できます(動画)。この特性を生かし、酸素センサーや酸素応答型の無機顔料などへの応用が期待されます。
神奈川大学HPの紹介ページはこちら