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化粧品を科学する

皮膚や頭髪を健康に美しく保つことは、年齢を問わずQOL(生活の質)の維持・向上に大切なことです。病気の治療を目的とした「薬」とは対照的に、「化粧品」は健やかさと美しさを保つために用いられます。すなわち、化粧品を長期にわたり使用することで肌や毛髪が少しずつ改善されます。このような緩和な効果を発現するために、有効成分の分子構造や生理活性を設計するだけでなく、化粧品製剤から皮膚への有効成分の移行、さらに皮膚内での動態を理解しなければなりません。
化粧品の「有用性」は消費者にとって魅力的な特徴(品質)でありますが、その他にも「安全性」、「安定性」、「使用性」が化粧品には求められます。これら品質の1つ1つが化粧品の研究対象であり、様々な学問が化粧品の製品化に関わってきます。当研究室が主に専門としている「コロイド界面化学」は化粧品の全ての品質に関わっており、化粧品のモノ作りにおいて欠かせない学問領域になります。

ナノサイズの自己組織体と
界面現象をコントロールし、
新たな付加価値を生む

当研究室では、コロイド界面化学をベースとした化粧品製剤研究を中心に、皮膚科学や経皮吸収の観点を取り入れた総合的な化粧品科学の研究を行っています。乳液やクリームをはじめ、クレンジング料、口紅、ファンデーションなど多くの化粧品がコロイド界面化学に関わっており、さらに医薬・農薬、食品、塗料など、ほとんどの産業分野でコロイド界面化学の知識や技術が活用されています。これは、世の中に界面が遍く存在するためです。特に微視的な世界での表面・界面の影響は大きく、例えばエマルション(液体の分散系)やファンデーション(固体の分散系)のように、非常に小さな粒子が分散した系では界面に発生する余分なエネルギーが系の安定性、すなわち品質を左右します。また、我々ヒトの皮膚も体内と外界を隔てる界面であり、界面を介してコミュニケーションを行いながら皮膚の恒常性を維持しています。当研究室では、このような界面をはじめ非常に小さな領域(コロイド領域)で起こる現象の解明に取り組んでおり、新しい理論の構築や物質の創成だけでなく、化粧品のような生活用品の付加価値に繋がる研究を目指しています。

ABOUT PROFESSOR

山下裕司教授

化学生命学部 生命機能学科