生体高分子の1つであるタンパク質は、遺伝子情報に基づいてアミノ酸が重合したポリマーです。細胞を構成する物質のうちの多くを占めており、酵素、構造タンパク質、輸送タンパク質、モータータンパク質、受容体タンパク質など、非常に多くの種類のタンパク質が生体内で多様な機能を担っています。このような多様な機能は、タンパク質の立体構造と深く関係しています。

タンパク質という分子は、生物と同じように進化・機能分化します。例えば、全く異なるアミノ酸配列が似た立体構造をとる「収斂進化」が起きる分子群が存在することが知られています。環境ストレス下では、生物の生き残りのために、短期間でストレスに対応した機能進化が起きることも知られています。本研究室では、特に化学反応を触媒するタンパク質分子である酵素の進化を解析することで、酵素機能の自由な改変・デザインを可能にしたいと考えています。また、生体内での酵素の活性制御にも興味を持っています。